男性の髪が薄くなるAGA(男性型脱毛症)の原因を知っていますか?
私は自分の薄毛化に気づいた段階ではAGAのことを詳しく知りませんでした。結果、AGA治療について検討するタイミングが遅くなってしまいました。
敵を倒すには、まずは敵を知っておく必要があります。ここで言う敵とはもちろんAGAのことです。
この記事では「そもそもAGAって何なのか?」「ハゲとAGAは何が違うのか?」「なぜAGAになるのか?」について解説します。
目次
AGAとは
まずはAGAという言葉の意味や症状について解説します。
AGAとはどういう意味?
AGA(エージーエー)とはAndrogenetic Alopeciaの略で男性型脱毛症という意味です。「病院でAGAしたい」という言葉の使い方をしばしば見かけますが、正しくは「病院でAGA治療がしたい」となります。
なぜ日本でAGAという言葉が浸透したのでしょうか。それは主に製薬会社MSDのテレビコマーシャルが影響しています。MSDはAGA治療に有効なプロペシアという薬を開発した会社です。そしてMSDはプロペシアのCMを作りました。CMでは爆笑問題が「お医者さんに相談だ♪」と耳に残るキャッチーなフレーズを口にしていました。このCMを通じて「AGA」という言葉が認知され始めました。
AGAの症状
AGA(男性型脱毛症)は、その名の通り毛が抜ける症状で、男性のみ発症します。以下のような症状が発生します。
- 中途半端に短い毛が少しずつ抜け落ちていく
- 頭頂部や前頭部(M字・生え際)が徐々に薄くなっていく
- 髪が細くなりコシがなくなっていく
- 髪のボリュームが減っていく
- 最終段階まで進行すると頭頂部および前頭部の毛がほとんどなくなる
AGAとハゲの違い
まずはAGAではないハゲについて説明します。生活習慣が乱れたり、強いストレスを感じたりすることによって脱毛症になることがあります。その場合、髪が全体的に薄くなったり、円形脱毛症になったりします。また、頭皮に湿疹ができることによって髪が薄くなることもあります。これらの脱毛症はAGAではありません。AGA以外の脱毛症は一時的なものが多く、脱毛の原因を取り除くことによって改善していきます。
一方AGAは生活習慣やストレスによって生じる脱毛症ではありません。次項で解説する男性ホルモンの働きによって、主に頭頂部や前頭部の髪が薄くなります。AGAは他の脱毛症と違って、進行していくタイプの脱毛症です。したがってAGAは徐々に脱毛が進行します。
AGAの原因
AGAの原因でポイントになるキーワードは以下4つです。
- テストステロン
- 5-α還元酵素(リダクターゼ)
- ジヒドロテストステロン(DHT)
- 男性ホルモン受容体(レセプター)
下の画像は毛に関する組織の図です。
毛は毛根部にある毛乳頭や毛母によって作られています。
AGAを発症すると毛乳頭で以下のようなことが発生しています。
男性ホルモンであるテストステロンは、毛乳頭にある2型の5-α還元酵素に代謝されて、ジヒドロテストステロンへ変化します。
ジヒドロテストステロンは強力な男性ホルモンです。頭頂部や前頭部の毛乳頭でジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体と結びつくと、毛の成長を阻害する信号が発生します。毛の成長が阻害されることによって、毛の成長期間が短くなり、すぐに抜けてしまいます。これがAGAの原因なのです。
髪の毛には毛周期(ヘアサイクル)というサイクルがあります。
毛周期は成長期、退行期、休止期の順で繰り返します。通常は順調に毛が育つ成長期が3〜4年ぐらい続きます。しかしAGAの場合は、成長期が数ヶ月〜1年ぐらいしか続かなくなります。
AGAによって髪の毛の成長期が短くなると、毛が生えてこなくなる可能性が高まります。なぜなら毛周期には繰り返し数が決まっているからです。髪の毛は約40〜50回の毛周期を繰り返すと細胞分裂が行われなくなり、完全に髪の毛が生えてこなくなります。
細胞分裂の回数はテロメアによって決められています。テロメアはDNAの末端部分に存在します。細胞分裂する度にテロメアは徐々に短くなり、テロメアが短くなると細胞分裂を行わなくなります。
「AGA治療は早く始めた方がいい」と言う病院が多いのはなぜでしょうか。なぜなら毛周期の繰り返し数が残っているうちにAGA治療を開始することが重要だからです。枯れてしまった木に水をあげても意味がないように、AGAも毛根の細胞が生きているうちに治療を開始することが重要です。
AGAの特徴
AGAには4つの特徴があります。「最近髪の毛が薄くなってきたかも…」と思う方はAGAかもしれません。AGAの特徴を知っておくことで、自身がAGAなのかどうか判断することができます。AGAに早く気付くことができれば、早期にAGA治療をスタートすることができます。
1.頭頂部(てっぺん)が薄くなる
AGAは頭頂部(てっぺん)が薄くなります。O型に薄くなるとも言います。日本人は頭頂部から薄くなる人が多いです。
頭頂部は自分で確認するのが難しいです。したがって頭頂部が薄くなっている場合はAGAに気づくのが遅れがちです。
私はトップの毛をふんわり立たせるように髪をセットすることが多いです。頭頂部が薄くなってくると、トップをふんわりさせるのが難しくなります。すぐにシナシナと髪の毛が倒れてしまいます。
2.前頭部(M字・おでこの生え際・前髪)が薄くなる
AGAは前頭部(M字・おでこの生え際・前髪)が薄くなります。M型に薄くなるとも言います。
前頭部は鏡でよく見えます。したがって前頭部が薄くなっている場合はAGAに気づきやすいです。
3.AGAは進行する
AGAは進行するタイプの脱毛症です。したがって一度AGAを発症すると、徐々に髪の毛が薄くなっていきます。
前述した「頭頂部」と「前頭部」の薄毛化が進行し、最終的には「頭頂部」と「前頭部」のハゲ部分が繋がります。
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4.抜け毛の特徴(本数・長さ・毛根)
AGAは抜け毛に以下の特徴があらわれます。
- 抜け毛の本数が多い
- 抜け毛が短い
- 抜け毛が細い
- 抜け毛の毛根部が細い
AGAになると髪の毛は十分に成長することができなくなります。したがって、細かったり短かったりする状態で毛が抜け落ちてしまうのです。
AGAの発症率
AGAを発症する年齢や発症率について解説します。
以下はAGAの年齢別発症率を示すグラフです。
AGA発症年齢
AGAの発症率は思春期を過ぎると徐々に上昇し、20代で6%がAGAになります。30代では12%がAGAになり、40代では約3人に1人がAGAになります。
AGA発症率
日本人男性全体で32%がAGAを発症しています。3人に1人はAGAということです。
総務省統計局によると平成26年10月1日時点で日本人男性人口は61,801,000人です。したがって日本人男性19,776,320人がAGAを発症している計算になります。
まとめ
「AGAとは何なのか?」「なぜAGAでハゲるのか?」について解説しました。
AGAの特徴を知っておくことで、自身がAGAであるかを判断することができます。AGAの原因について知識があれば、余計な回り道をせずに、有効な治療を検討することができるようになります。AGAの治療方法はAGAを改善して薄毛を治すたった2つの治療方法をご覧ください。
AGAは進行するタイプの脱毛症です。したがってAGAを早期に発見してAGA治療を開始するのがベストです。