アデノシンとは、アデニン(塩基)とリボース(糖)からできている化合物です。
アデノシンは生体に存在する化合物で、細胞機能の制御や調節をしたり、血管を拡張したりします。例えば、アデノシンには睡眠を誘発する役割があります。カフェインはアデノシン受容体の作用を阻害するため、カフェインを摂取すると眠気が減少します。
アデノシンは血行を促進して抜け毛を予防したり、発毛を促進する再生因子であるFGF-7(KGF)の産生を促進したりする効果があります。日本皮膚科学会が定めた男性型脱毛症診療ガイドライン2010年版では、アデノシンは5段階評価(A・B・C1・C2・D)においてC1(行うことを推奨してもよいが、十分な根拠がない)と評価されています。発毛効果に関しては有効性を示す根拠が少ないですが、副作用が軽微であるため、外用薬の1つとして推奨されています。
アデノシンを利用した育毛剤については資生堂が特許を取得しています。資生堂はアデノゲンやアデノバイタルという商品を医薬部外品として一般販売しているため、ドラッグストアで購入することができます。美容室がアデノバイタルを取り扱っていることもあります。