AGAは遺伝するのか?

ハゲは遺伝する、とは世間一般でよく言われることです。

「自分の家系はハゲが多いから、将来自分もハゲるのでは…」と心配する方がいらっしゃると思います。

結論から申し上げますとAGA(男性型脱毛症)は遺伝と大きく関わっています。この記事ではAGAと遺伝の関係について解説します。

AGAと遺伝の関係

AGAと関連する遺伝要素(5-α還元酵素・男性ホルモン受容体の感受性)

AGAと関連する遺伝要素

まずはAGAの原因について知っておく必要があります。詳しくはAGAってなに?原因と特徴についてをご覧ください。

AGAの原因でポイントになるキーワードが2つあります。

  • 5-α還元酵素(リダクターゼ)
  • 男性ホルモン受容体(レセプター)

テストステロンは5-α還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変化します。ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体と結びつくと、毛の成長が阻害されます。結果、AGAを発症します。

したがってAGAを発症しやすいかどうかは以下2つがポイントになります。

  • 5-α還元酵素の活性(テストステロンとの反応が活発であること)
  • 男性ホルモン受容体の感受性(ジヒドロテストステロンを受け入れる能力)
<ポイント>
新宿AGAクリニックによれば「5-α還元酵素の活性は優性遺伝すると言われている」とのことです。

男性ホルモン受容体の感受性も遺伝します。X染色体上に存在する男性ホルモン受容体遺伝子の多型や常染色体の3q26や20p11にAGA関連遺伝子の存在が知られています。(出典:日本皮膚科学会「男性型脱毛症診療ガイドライン2010年版」)

AGAは母方から遺伝する?

AGAは母方から遺伝する可能性が高いです。

5-α還元酵素の活性は優性遺伝すると言われています。優性遺伝であるため母・父どちらかが優性ならば遺伝します。

男性ホルモン受容体の感受性は母方から遺伝します。男性ホルモン受容体の感受性は、X染色体上にある遺伝子が関係しています。X染色体は母親由来で遺伝します。

AGAは父方から遺伝する?

父方から遺伝するAGAに関する要素は、母方に比べて少ないです。5-α還元酵素の活性が優性遺伝するかどうか、だけです。

したがって、AGAは父方より母方から遺伝しやすいと言えます。

AGAが遺伝する確率

AGAは100%遺伝が原因であると脇坂ナカツクリニック院長が言っています。(出典:ハゲは本当に遺伝するのか? – Excite Bit コネタ)

遺伝によってAGAになりやすい性質が引き継がれます。

  • 5-α還元酵素の活性が優性遺伝する
  • 男性ホルモン受容体の感受性が母方から遺伝する

5-α還元酵素の活性度が高ければ高いほどAGAの原因になるジヒドロテストステロンが生成されやすくなります。男性ホルモン受容体の感受性が強ければ強いほど、ジヒドロテストステロンによって毛の成長が阻害されやすくなります。

AGAは遺伝以外で発症する?

AGAは遺伝以外で発症する?

AGAは遺伝以外で発症する?

先述したとおりAGAは100%遺伝が原因です。

AGAになりやすい性質を遺伝するのであって、ハゲそのものが遺伝するわけではありません。要するに母方・父方の両方がハゲていなければ安心というわけではありません。

例えば母方・父方が以下のような状態だったと仮定します。

  • 母方は男性ホルモン受容体の感受性が強いが、5-α還元酵素の活性が弱く、ハゲている人が少ない
  • 父方は男性ホルモン受容体の感受性が弱いが、5-α還元酵素の活性が強く、ハゲている人が少ない

上記の例は母方・父方どちらもAGAになりやすい性質を1つずつ持っているという状態です。この場合、生まれてくる子供は以下の要素を引き継ぎます。

  • 母親から男性ホルモン受容体の感受性を引き継ぐ
  • 父親から5-α還元酵素の活性を引き継ぐ

結果、母方・父方がハゲていなくても、AGAになりやすい性質をたっぷり引き継ぐことになります。したがって、母方・父方がハゲていなくても安心はできないのです。

<コラム>
私の場合は母方・父方の両方ともハゲていました。AGAになりやすい性質をしっかり引き継いだと思います。遺伝に打ち勝つべく、AGA治療に励んでいます。

AGA遺伝子検査

AGAになりやすい要素として男性ホルモン受容体の感受性が関わっていることを説明しました。

男性ホルモン受容体の感受性は検査で調べることができます。これをAGA遺伝子検査と一般的に呼びます。

AGA遺伝子検査は病院や市販されているキットで検査が可能です。詳しくはAGA遺伝子検査でハゲやすいか分かるかも?!にまとめています。

まとめ

AGAと遺伝の関係について紹介しました。ポイントは以下になります。

  • AGAは5-α還元酵素の活性と男性ホルモン受容体の感受性が関係
  • 5-α還元酵素の活性は優性遺伝
  • 男性ホルモン受容体の感受性は母方から遺伝

もし、母方・父方の両方にAGAが見受けられるならば、AGAになりやすい性質を引き継いでいる可能性が高いです。

遺伝だからと言って諦める必要はありません。医療機関のAGA治療ではフィナステリドが処方されます。フィナステリドは5-α還元酵素の活性を抑えてくれます。

関連:フィナステリド(プロペシア)の効果・副作用