AGAを改善して薄毛を治すたった2つの治療方法

薄毛を自覚すると手始めに「シャンプー・育毛剤・マッサージ」「食事・生活改善」を考えますよね。残念ながら、どれもAGAに対しては効果がありません。私自身が身をもって経験しました。お金と時間を消費し、おまけに脱毛が順調に進行しました。

AGAを改善して薄毛を治す治療方法は現在2つしかありません。

間違ったAGA対策をしている間にもAGAによる薄毛化は徐々に進行します。もし自分がAGAであることを認識したのならば回り道をせずに、効果的なAGA治療に直進するべきです。

この記事ではAGA治療によって髪が生える仕組みについて説明します。

AGAを治すには

問題を解決するには、まずは問題の原因を知っておかなければ対応できません。まずはAGAが発症する原因について説明します。詳しくはAGAってなに?原因と特徴についてをご覧ください。ここでは簡単に紹介します。

毛乳頭内で発生するAGAの原因

毛乳頭内で発生するAGAの原因

男性ホルモンであるテストステロンは2型の5-α還元酵素(リダクターゼ)によってジヒドロテストステロン(DHT)に変化します。ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくと、毛の成長を阻害する命令が発生します。これがAGAの原因です。

AGAを治すには上記の原因を踏まえて対策する必要があります。シャンプー・育毛剤・マッサージ・生活改善のどれもAGAに効果がないのは、上記の原因に対して有効でないからです。

日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドライン

ではAGAを治すにはどのような治療が有効なのでしょうか。その答えは公益社団法人日本皮膚科学会が定める「男性型脱毛症診療ガイドライン2010年版」に書かれています。このガイドラインは「医師がAGA患者に対して、どのような治療を実施するべきか」について書かれているものです。したがって、医学的根拠があり、有効だと言える治療方法だけが推奨されています。

ガイドラインでは以下の治療方法が推奨されています。推奨度は5段階(A・B・C1・C2・D)で評価されています。

[男性型脱毛症診療ガイドライン2010年版で推奨されている治療方法]
治療方法 推奨度
ミノキシジル外用 A(行うよう強く勧められる)
フィナステリド内服 A(行うよう強く勧められる)
塩化カルプロニウムの外用 C1(行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない)
t-フラバノン C1(行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない)
アデノシン C1(行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない)
サイトプリン・ペンタデカン C1(行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない)
セファランチン C2(根拠がないので勧められない)
ケトコナゾール C1(行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない)
<ポイント>
ミノキシジルとフィナステリドだけが推奨度Aと評価されています。医療機関のAGA治療ではミノキシジルとフィナステリドを処方するのが一般的です。

AGAを治す2つの方法

AGAに対して有効な2つの治療方法はミノキシジルとフィナステリドです。これらの薬で「なぜAGAが改善するのか」について説明します。

1.フィナステリドで毛周期を改善

AGAになると髪の毛の成長する期間が極端に短くなります。髪の毛が十分に成長できず、毛が細く短い状態ですぐに抜け落ちてしまいます。AGAになると短くて細い抜け毛が増えるのは、毛の成長期が短くなっているからなのです。

AGA発症者と正常な人の毛周期比較

AGA発症者と正常な人の毛周期比較

<ポイント>
フィナステリドは毛周期を正常な状態へ戻してくれる効果があります。なぜならフィナステリドは2型の5-α還元酵素を阻害して、ジヒドロテストステロンの生成を抑える薬だからです。

髪の毛が十分に成長できなくなる原因は、毛乳頭でジヒドロテストステロンと男性ホルモン受容体が結合するからです。テストステロンが2型の5-α還元酵素に代謝されてジヒドロテストステロンが産生されます。したがって、フィナステリドで5-α還元酵素を阻害することによって、髪の毛がしっかり成長できるようになるのです。

フィナステリドが主成分の薬は以下のようなものがあります。

  • プロペシア(MSD株式会社が販売)
  • フィナステリド錠「ファイザー」(プロペシアのジェネリック医薬品でファイザー株式会社が販売)

AGA専門クリニックでは上記2つではなく、独自に院内調剤したフィナステリドを処方することがあります。

関連:フィナステリド(プロペシア)の効果・副作用

2.ミノキシジルで発毛を促進

フィナステリドで「髪の毛が十分に成長できるように毛周期を改善」して環境を整えたら、あとは髪の毛が発毛するのを待つのみです。しかし、髪の毛が発毛するには時間がかかります。

そこで発毛効果があるミノキシジルの登場です。ミノキシジルは発毛を促進する薬です。元々は血圧を下げる薬として開発されました。服用している患者に発毛効果があらわれたことからAGA治療で利用されるようになりました。

<ポイント>
ミノキシジルは血管を拡張して血行を促進します。髪の毛を育てる毛乳頭や毛母細胞が活性化し発毛が促進されます。

ミノキシジルが主成分の薬は以下のようなものがあります。

  • リアップ(大正製薬が開発する市販のミノキシジル外用薬)
  • ミノキシジルタブレット(内服薬)

ミノキシジルタブレットは厚生労働省に販売を認可されていないため、薬局では販売されていません。AGA専門クリニックでは、独自に院内調剤したミノキシジルタブレットを処方することがあります。

リアップは市販されている商品の中で唯一AGAに対して有効です。薬局やドラッグストアで購入できるため、手軽にAGA治療を開始することができます。

<コラム>
フィナステリドで毛周期を改善し、ミノキシジルで発毛を促進するという2段構えの治療方法が一般的です。私が通院している銀座総合美容クリニックでもフィナステリド内服薬とミノキシジル内服薬が処方されています。

関連:ミノキシジルの効果・副作用

AGA治療に必要な期間

AGA治療は時間がかかります。短期間で効果があらわれる可能性は低いです。少なくとも3ヶ月、一般的には6ヶ月以上治療を続ける必要があります。これは毛周期が関係しています。

毛周期

毛周期

AGAによって十分に成長することができずに退行期となった毛は、やがて休止期に入って抜け落ちます。休止期の次は成長期となり新しい毛が生えてきます。退行期が約2〜3週間、休止期が約3〜5ヶ月間です。したがって新しい毛が生え始めるまで3〜6ヶ月間は必要になります。

関連:AGA治療は薬を一生飲み続ける必要があるのか?

まとめ

この記事ではAGAに有効な2つの治療方法を紹介しました。

<ポイント>

  • フィナステリドで5-α還元酵素を阻害して毛周期を改善
  • ミノキシジルで発毛を促進

現在AGAに対して医学的根拠から有効である治療方法はフィナステリドとミノキシジルの2つだけです。

AGAによる薄毛を治そうと思ったら、この2つ以外に道はありません。AGAを改善したい場合は医学的に有効なAGA治療をおすすめします。