髪に良いシャンプーの選び方にはポイントが3つある

「薄毛が気になるからシャンプーで育毛しよう」多くの男性が考えることですが、残念ながら髪の毛が生えるシャンプーは存在しません。

私が薄毛に気づいて1番最初に考えたのが「シャンプーで育毛しよう」でした。皮脂をしっかり取って頭皮がスッキリすれば、髪の毛が生えるだろうと思っていたのです。

CMでよく見かける「育毛に良さそうな」有名シャンプーを色々試しました。結果は「洗い上がりがサッパリ!髪の毛が生えてきそう!」という気持ちとは裏腹に、順調にAGA(男性型脱毛症)が進行しました。本当にありがとうございました。

医学的に「髪の毛が生えるシャンプー」というのは存在しません。AGAによる薄毛を改善するには日本皮膚科学会が男性型脱毛診療ガイドライン2010年版で定めている通り、フィナステリドとミノキシジルしか有効な治療方法は存在しません。詳しくはAGAを改善して薄毛を治すたった2つの治療方法をご覧ください。

したがってシャンプーを選ぶ際は、育毛のことなんか気にせずに「頭皮に優しいかどうか」これだけ考えていれば問題ありません。なぜなら髪の毛が生えるシャンプーなんて存在しないのですから。

具体的にシャンプーを選ぶポイント3つは以下の通りです。

  • 魅惑の売り文句「育毛」はスルー
  • 皮脂を取りすぎるシャンプーは危険
  • 頭皮に優しいシャンプーを選ぶ

3つのポイントを詳しく紹介します。

魅惑の売り文句「育毛」はスルー

髪の毛が生えるシャンプーは存在しない

冒頭で書きましたが、髪の毛が生えるシャンプーは存在しません。もしそんなシャンプーが存在するのならば、薄毛で困る男性はいないはずです。

私自身、薄毛対策として1番最初に考えたのがシャンプーでした。なぜ「シャンプーで髪の毛が生えると思ってしまうのか?」には以下の理由があります。

  • 「髪の毛が育つ」的なシャンプーのCM
  • 皮脂=悪という常識

1番問題なのが「皮脂=悪という常識」が強く根付いているからです。これは、化粧品会社・メーカーがマーケティングする過程で世間に浸透してしまった常識です。皮脂はAGAの原因ではありません。

<ポイント>
AGAで薄毛になる原因はAGAってなに?原因と特徴についてに書いてある通り、5-α還元酵素(リダクターゼ)の活性・ジヒドロテストステロン(DHT)・男性ホルモン受容体の感受性が関係しています。これらはシャンプーでどうにかなるものではありません。

シャンプーの気持ちいい爽快感がもたらす「あぁ…髪の毛が生えてきそうだ…」という錯覚にはご注意ください。

関連:市販されている育毛剤で買って良いものは1つだけ

洗浄力が強くて頭皮に優しくない可能性

「育毛」が売り文句のシャンプーは以下のパターンが一般的です。

  • 薄毛の原因は皮脂である
  • シャンプーで皮脂をゴッソリ取り除くべき
  • 皮脂をゴッソリ取れば髪が育ちやすくなる

したがって、皮脂をゴリゴリに取り除いて洗い上がりがサッパリする「洗浄力の強い成分」を使っている可能性が高いです。これが良くありません。詳しくは次項で説明します。

皮脂を取りすぎるシャンプーは危険

洗浄力が強力で皮脂を取りすぎるシャンプーは危険です。

皮脂を取りすぎるシャンプーの売り文句キーワードとして良く見かけるのが

  • 育毛
  • 皮脂を取り除く
  • 育毛剤が浸透しやすい

などです。これらのキーワードが出てきたら注意が必要です。

そもそも皮脂は肌を守るために必要なものであり、皮脂を取りすぎるのは良くありません。「肌」の悩みがすべて消えるたった1つの方法を書いた元・北里研究所美容医学センター長の宇津木龍一医師によれば、皮脂を取りすぎると余計に無駄な皮脂が分泌されて薄毛の原因になります。宇津木龍一医師はシャンプーを使わずにぬるま湯の湯シャンを推奨しています。

皮脂を取りすぎるシャンプーは2種類あります。高級アルコール系シャンプーと、石鹸系シャンプーです。

高級アルコール系シャンプー

高級アルコール系シャンプーとは、高級アルコールが主成分のシャンプーです。高級アルコールの”高級”は、分子中の炭素原子が多いことを表しています。上質であるという意味ではないことに注意が必要です。

高級アルコール系シャンプーには以下の特徴があります。

  • 洗浄力(皮脂を取り除く力)が強い
  • 高級アルコールは安価で作れる
<ポイント>
市販されているシャンプーのほとんどが高級アルコール系シャンプーです。なぜなら高級アルコールは洗浄力が強く、安価だからです。高級アルコール系シャンプーは皮脂を取りすぎてしまう可能性があるので注意が必要です。

高級アルコールの成分には以下のようなものがあります。

  • ラウリル硫酸ナトリウム
  • ラウリル硫酸カリウム
  • ラウリル硫酸アンモニウム
  • ラウレス硫酸ナトリウム
  • ラウレス-2硫酸アンモニウム
  • パレス-3硫酸アンモニウム
  • パレス-3硫酸アンモニウム
  • スルホン酸ナトリウム
  • ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩

石鹸系シャンプー

石鹸系シャンプーとは、主成分が石鹸のシャンプーです。石鹸は植物や動物などの天然油が原料です。

石鹸系シャンプーには以下の特徴があります。

  • 環境に優しい(自然環境で分解されやすい)
  • 洗浄力が強い
  • 洗い上がりに髪がパサつく
<ポイント>
石鹸系シャンプーは高級アルコール系シャンプーと同様に洗浄力が強いです。

頭皮に優しいシャンプーを選ぶ

「洗浄力が強すぎず、頭皮に優しいかどうか」がシャンプーを選ぶ際の重要なポイントです。

アミノ酸系シャンプーは洗浄力が強すぎず、頭皮に優しいシャンプーです。

アミノ酸系シャンプー

アミノ酸系シャンプーとは、アミノ酸系成分が主成分のシャンプーです。

アミノ酸系シャンプーには以下の特徴があります。

  • 洗浄力がマイルド(皮脂を取りすぎない)
  • 刺激が少ない
  • 値段が高い
<ポイント>
1番肌に刺激が少なくて頭皮に優しいのがアミノ酸系シャンプーです。したがって、ほとんどの美容室がアミノ酸系シャンプーを採用しています。ただし、アミノ酸系成分だけでは洗浄力がマイルドすぎるため、洗浄力を多少強めるために高級アルコール成分を加えている場合があります。

アミノ酸系成分には以下のようなものがあります。

  • アシルグルタミン酸ナトリウム
  • ココイルグルタミン酸TEA
  • ココイルアラニンナトリウム
  • ラウラミノプロピオン酸ナトリウム
  • ラウロイルメチルアラニンナトリウム
  • ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
  • ラウロイルグルタミン酸TEA

私の愛用品はハホニコのラメイヘアクレンジング

愛用品というほどでもないのですが、ハホニコというメーカーのラメイヘアクレンジングというシャンプーを使っています。ハホニコは美容室で良く取り扱われていますが、サロン専売品なので市販はされていません。ただし、Amazonで買うことができますし、ドン・キホーテにも売っています。

ハホニコ-ラメイヘアクレンジングシャンプー(成分表)

ハホニコ ラメイヘアクレンジングシャンプー

このシャンプーはコカミドプロピルベタインというベタイン系成分が主です。ベタイン系はアミノ酸系よりも洗浄力が弱く、刺激がさらにマイルドです。ベタインだけだと洗浄力が弱すぎるので、石鹸系のラウラミノプロピオン酸ナトリウム・ラウレス-4カルボン酸Na、アミノ酸系のココイルメチルアラニンNaなどが配合されています。

洗浄力の強いシャンプーを使うと洗い上がりがサッパリして「キュッキュッ」とするのですが、ラメイヘアクレンジングはぬるぬるしていて、洗い流すのに少し時間がかかります。洗い上がりは「キュッキュッ」とはせず、潤う感じです。「これでしっかり洗えているのかな?」と不安になりますが、そのうち慣れます。

私の場合はラメイヘアクレンジングを使い始めてから頭皮が乾燥しなくなり、痒くなることが無くなりました。私には洗浄力が丁度よかったようです。

シャンプーで髪の毛が生えるわけではないので、AGAの方に強くお勧めするシャンプーは特にありませんが、迷っている方にはラメイヘアクレンジングをおすすめします。ただし値段が高いので、安めのアミノ酸系シャンプーを探して使う方が良いと思います。シャンプーで髪の毛が生えるわけではありませんので。

ちなみに私は400mlの方を購入しています。1000mlだと使い切るのに時間がかかりますし、その間に他のシャンプーに切り替えるかもしれませんので。

まとめ

髪に良いシャンプーの選び方には3つのポイントがあることを紹介しました。

  • ポイント1.魅惑の売り文句「育毛」はスルー
  • ポイント2.皮脂を取りすぎるシャンプーは危険
  • ポイント3.頭皮に優しいシャンプーを選ぶ

シャンプーで髪の毛が生えるわけではないので「皮脂をゴッソリ取り除く」シャンプーではなく「頭皮に優しい」シャンプーを選ぶべきです。

AGA治療中の方もAGA治療をまだされてない方も、ぜひ頭皮に優しいシャンプーをおすすめします。