規則正しい生活習慣はAGA対策にはならない
いいえ、AGA(男性型脱毛症)治療に生活改善や食事改善は効果がほとんど期待できません。
男性ホルモンのテストステロンが5-α還元酵素(リダクターゼ)によってジヒドロテストステロン(DHT)になり、ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくと毛の成長が阻害されてAGAが引き起こされます。
したがってAGA治療では5-α還元酵素を阻害してジヒドロテストステロンが産生されないようにフィナステリドという薬を服用するのが一般的です。
AGAの進行を遅らせるために5-α還元酵素を阻害しなければなりませんが、生活改善や食事改善では5-α還元酵素を阻害することが困難です。亜鉛が5-α還元酵素を阻害することは試験管レベルの研究で分かっていますが、生体内でも同様に作用してAGAの進行を遅らせる効果がある根拠を示す有効な検証結果が少ないです。
もちろん髪の毛は食事で摂取した栄養から作られますので、バランスの良い食事と健康的な生活習慣は大切です。もし栄養失調や不規則な生活によって一時的に頭髪全体が薄くなる脱毛症を引き起こしていたのであれば、生活改善や食事改善によって頭髪の状態が改善される可能性があります。
しかしAGAである場合は5-α還元酵素を阻害しない限り脱毛が進行しますので、生活改善や食事改善は効果が期待できません。