AGA遺伝子検査でハゲやすいか分かるかも?!

AGA遺伝子検査によって自分がハゲやすい性質を持っているかどうかが分かります。

「最近抜け毛が気になるけどこのままハゲていくのだろうか?」「まだ薄毛は気にならないが近親者がハゲているので将来ハゲるのでは…」と思っている方はAGA遺伝子検査を受けてみるのもよいかもしれません。

この記事ではAGA遺伝子検査について紹介します。

AGA遺伝子検査とは

AGA遺伝子検査とは、遺伝子を調べることによってAGAになりやすいかどうかを調べる検査です。AGA遺伝子検査では男性ホルモン受容体の感受性を調べます。

男性ホルモン受容体の感受性に関する遺伝子についてAGAは遺伝するのか?で説明していますのでご参考ください。男性ホルモン受容体の感受性が強ければ強いほどAGAを発症しやすくなります。

テストステロンは5-α還元酵素(リダクターゼ)によってジヒドロテストステロン(DHT)になります。ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体と結びつくと、毛の成長を阻害する信号が発生します。これがAGAの原因です。AGAの原因について詳しくはAGAってなに?原因と特徴についてにまとめています。

AGA遺伝子検査の仕組み

GGCリピートとCAGリピート

GGCリピートとCAGリピート

DNAの遺伝情報は塩基配列の形によって保持されています。塩基はアデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・シトシン(C)の4種類があります。これらATCGの並びを塩基配列といいます。

男性ホルモン受容体の遺伝子には特定の塩基配列を繰り返す領域があります。特定の塩基配列は2種類あります。

  • CAG(シトシン・アデニン・グアニン)
  • GGC(グアニン・グアニン・シトシン)

CAGとGGCの塩基配列が何回繰り返されているかどうかが男性ホルモン受容体の感受性に関与しています。CAGの繰り返し数はフィナステリドによるAGA治療効果を予測する指標としても利用されています。

AGA遺伝子検査の結果・平均値・解析

AGA遺伝子検査では塩基配列CAGとGGCそれぞれの繰り返し数(リピート数)が算出されます。リピート数を平均値と照らし合わせることでAGAを発症する可能性が分かります。

CAGリピート数

CAGリピート数はAGAのリスク予測およびフィナステリドの効果予測に有用です。

CAGリピート数によるフィナステリド効果予測

CAGリピート数によるフィナステリド効果予測

CAGリピート数によるフィナステリドの効果予測
CAGリピート数 フィナステリドによるAGA治療効果
20以下 ◎(毛髪の高度増加以上の効果)
22以下 ◯(毛髪の中程度増加以上の効果)
27以下 △(毛髪の微増以上の効果)
27より大きい △(効果が出にくい)
CAGリピート数によるAGA発症リスク予測

CAGリピート数によるAGA発症リスク予測

CAGリピート数によるAGA発症リスク予測
CAGリピート数 AGA発症リスク
21以下 ◎(通常よりAGA発症リスクが3倍以上高い)
22以下 ◯(通常よりAGA発症リスクが2倍以上高い)
24以下 △(通常よりAGA発症リスクが高い)
24より大きい △(通常よりAGA発症リスクが低い)

CAGリピート数の平均・標準偏差は以下の通りです。

  • AGA患者CAGリピート数の平均±標準偏差:22.179±2.871(284例)
  • 正常男性CAGリピート数の平均±標準偏差:24.882±1.996(18例)
<ポイント>
CAGリピート数から以下を予測することができます。

  • CAGリピート数が少ないほど、AGAの発症リスクが高い
  • CAGリピート数が少ないほど、フィナステリドによるAGA治療効果が高い
  • CAGリピート数が24より小さい場合、AGAリスクが通常より高い
  • CAGリピート数が27以下の場合、フィナステリド投与により毛髪量微増以上の効果が得られる

(参考文献)
・佐藤明男ら:男性型脱毛症のフィナステリド治療効果とアンドロゲン受容体遺伝子CAGリピート多型との相関性 Skin Surgery:17(2);80-86,2008
・株式会社フェニックスバイオ. アンドロゲン受容体遺伝子解析用プライマー. 再表2009/154259. 2011-12-01.

関連:フィナステリド(プロペシア)の効果・副作用

CAGリピート数+GGCリピート数

CAGリピート数とGGCリピート数の合計値はAGAのリスク予測に有用です。

CAGリピート数とGGCリピート数の合計によるAGA発症リスク予測

CAGリピート数とGGCリピート数の合計によるAGA発症リスク予測

CAGリピート数+GGCリピート数の合計値によるAGA発症リスク予測
CAGリピート数
+
GGCリピート数
AGA発症リスク
38より小さい ◎(通常よりAGA発症リスクが高い)
38 ◯(基準値)
38より大きい △(通常よりAGA発症リスクが低い)
<ポイント>

  • CAGリピート数+GGCリピート数の合計が38を基準とする
  • CAGリピート数+GGCリピート数の合計が38より小さいとAGA発症リスクが高い
  • CAGリピート数+GGCリピート数の合計が38より大きいとAGA発症リスクが低い

(参考文献)
・Ellis JA, Stebbing M, Harrap SB.Polymorphism of the androgen receptor gene is associated with male pattern baldness.J Invest Dermatol. 2001 Mar;116(3):452-5.

AGA遺伝子検査の信憑性

AGA遺伝子検査の信憑性はあまり高くありません。なぜなら有用なエビデンスが少ないからです。

AGAの発症リスク予測やフィナステリドの効果予測については、あくまで参考程度に留めておくことをおすすめします。

AGA遺伝子検査を病院で受ける

AGA遺伝子検査は病院で受けることができます。ほとんどのAGA外来専門病院(クリニック)がAGA遺伝子検査に対応しています。実際に私が通院している銀座総合美容クリニックでもAGA遺伝子検査を受けることが可能です。

AGA遺伝子検査の流れ

病院でのAGA遺伝子検査は一般的に以下の流れで行われます。

  • 1.AGA遺伝子検査で病院を予約する
  • 2.予約日に通院。診察で検査用に細胞を摂取(綿棒で頬の内側をこする)
  • 3.約1ヶ月後に結果が出る。再度病院へ行き、結果を教えてもらう

AGA遺伝子検査の費用

病院で受けるAGA遺伝子検査の料金相場は下記のとおりです。

メニュー 料金
AGA遺伝子検査 20,000円
診察料 3,000円
合計金額 23,000円
<ポイント>

  • AGA遺伝子検査は保険対象外の自由診療になります。
  • 病院が遺伝子解析を行っているわけではありません。遺伝子解析専門の会社へ外部委託しています。したがってどの病院で受けても検査内容に大きな違いはありません。相場より料金が高い場合は注意してください。

関連:AGA治療は健康保険が適用されない自由診療

AGA遺伝子検査キットを使う

病院へ行かなくてもAGA遺伝子検査キットを使えば、自宅で簡単にAGA遺伝子検査ができます。

AGA遺伝子検査キットの利用方法

AGA遺伝子検査キットを利用する際の流れは以下の通りです。

  • 1.AGA遺伝子検査キットを購入
  • 2.付属の採取棒で頬の内側をこすって粘膜を採取
  • 3.付属の返信用封筒に採取棒を入れて郵送
  • 4.約1ヶ月後に検査完了の連絡がある
  • 5.検査結果が郵送で届く(またはWebで閲覧)

AGA遺伝子検査キットの費用

株式会社ジェネシスヘルスケアが販売するAGA遺伝子検査キット「AR遺伝子検査キット」は税込12,960円です。スカルプDのアンファーが販売している「スカルプD ヘアメディカル AGA遺伝子検査キット」は税込16,200円です。

<コラム>
株式会社ジェネシスヘルスケアは遺伝子検査を行っている会社で、さまざまな企業と提携しています。例えば株式会社イーケーコムが販売するAGAドックというAGA遺伝子検査キットがあります。価格はジェネシスヘルスケアが販売しているキットと同じです。AGAドックの遺伝子検査はジェネシスヘルスケアが行っています。クリニックでジェネシスヘルスケアのAR遺伝子検査キットが利用されていることもあります。

AGA遺伝子検査キットの口コミ

AGA遺伝子検査キットを使った方の口コミは以下のようなものが多いです。

  • 検査金額は正直高い
  • フィナステリドの効果を確認するために利用してみた
  • 今後のAGA治療方針に役立ちそう
  • AGAなのにAGA発症リスクが低いという結果が出た

興味本位で試す方や、フィナステリド服用効果予測を知りたい方が購入しているようです。必要な作業が、綿棒で細胞を摂取して郵送するだけなので、料金を高額に感じる方が多いようです。5000円ぐらいが妥当だと考える方が多いようです。

AGA遺伝子検査キットの購入方法

株式会社ジェネシスヘルスケアのAGA遺伝子検査キット「AR遺伝子検査キット」は公式サイトのオンラインショップから購入できます。

株式会社ジェネシスヘルスケアと提携している株式会社イーケーコムのAGA遺伝子検査キット「AGAドック」はAmazonから購入できます。

まとめ

AGA遺伝子検査のポイントは以下になります。

  • 遺伝子からAGA発症リスクとフィナステリド服用効果を予測
  • AGA遺伝子検査は病院または検査キットを購入して行う
  • AGAと遺伝子の関連については有用なエビデンスが少ない
  • AGA遺伝子検査の結果はあくまで参考程度に留めておく

検査は頬の内側を綿棒でこするだけなので手軽ですし、キットを購入して自宅で受けることができます。もし興味がある方はAGA遺伝子検査を試してみるのもよいかもしれません。