フィナステリドは米メルク社が開発して特許を取得した薬で、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換する2型5-α還元酵素(リダクターゼ)の働きを阻害します。薄毛の原因であるジヒドロテストステロンの生成を抑えることによって、脱毛を防ぎます。フィナステリドは2型5-α還元酵素阻害薬と呼ばれることがあります。
フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)の治療薬として世界中で利用されています。日本では米メルク社の子会社であるMSD株式会社のプロペシアと、プロペシアのジェネリック医薬品であるファイザー株式会社のフィナステリド錠「ファイザー」が販売されています。
フィナステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬として開発されました。米メルク社が開発したプロスカーは前立腺肥大症の治療薬として1992年にFDA(アメリカ食品医薬品局)から認可されました。フィナステリドを服用している患者に発毛や増毛の効果があらわれたため、米メルク社はAGAの治療薬としてフィナステリドを研究してプロペシアを開発しました。プロスカーはフィナステリドを5mg含みますが、プロペシアはフィナステリドを1mgまたは0.2mg含みます。
1997年にプロペシアはAGAの治療薬としてFDAから承認されました。日本では2005年に厚生労働省から承認され、同年12月に発売されました。2015年4月にはプロペシアの国内初ジェネリック医薬品としてファイザー株式会社のフィナステリド錠「ファイザー」が発売されました。