「育毛サロン・発毛サロンと病院のどちらに行けばAGAが改善されるのだろうか？」
これは私がAGA治療を検討し始めた当初に悩んでいたことです。なぜなら当時の私はAGAに関する知識が全くなかったため「テレビで見聞きした情報」が全てだったからです。病院のCMはほとんど見たことがありませんが、育毛・発毛サロンのCMはたくさん流れていますしね。
AGAについて調べた結果、私は「病院」でのAGA治療を選びました。結論から申し上げると「AGA治療をしたいなら病院を選ぶべき」です。
なぜAGA治療は発毛サロンではなく病院を選ぶべきなのか、について紹介します。
AGAによる脱毛の原因と対策
AGAを改善したいならば、まずは「なぜAGAになるのか？」「どうすれば改善できるのか？」を知っておく必要があります。なぜなら髪の毛は非常に強いコンプレックスになりがちであるため、何も知識がない状態だと「さまざまなエサ」に引っかかるリスクが高まるからです。私自身「頭髪に良さそうなことは何でもしよう」と思っていたぐらいです。
AGAで薄毛になる原因
AGAになる原因は皮脂ではありません。極めて重要なことなので、もう一度言います。
AGAになる原因は皮脂ではありません。
「ハゲの原因は皮脂。皮脂を取り除けば髪の毛が成長しやすくなりハゲが治る。」これは様々な化粧品・育毛関連商品会社が、自社製品をマーケティングする過程で作り出された幻想です。
多くの日本人男性が「皮脂=悪」という幻想に取り付かれているはずです。私自身「ハゲの原因は皮脂だから、洗浄力の強いシャンプーを使おう」と考えていました。具体的な商品名は控えますが、皮脂を取ってくれそうなシャンプーを色々試していました。結果どうなったかと言うと「洗い上がりが超サッパリして気分爽快。髪の毛が成長しそうな気分が上昇」でした。もちろんAGAは順調に進行して、髪の毛は薄くなる一方でした。
毛乳頭内で発生するAGAの原因
AGAの原因は、毛乳頭内でジヒドロテストステロン(DHT)が男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくことで、毛の成長を阻害する命令が発生するからです。ジヒドロテストステロンは、テストステロンが5-α還元酵素(リダクターゼ)に代謝されることで産生されます。詳しくはAGAってなに？原因と特徴についてをご覧ください。
つまりハゲやすい体質かどうかは以下の要素で決定します。これらはAGAは遺伝するのか？に書いてある通り、遺伝する要素です。
- 5-α還元酵素の活性度
- 男性ホルモン受容体の感度
医学的に有効なAGA治療方法は2つしかない
現在、医学的に有効なAGA治療方法は以下の2つしかありません。(参考文献：日本皮膚科学会 男性診療型ガイドライン2010年版)
- フィナステリド
- ミノキシジル
2つの治療方法について詳しくはAGAを改善して薄毛を治すたった2つの治療方法をご覧ください。
AGA治療が目的なら発毛サロンを選んではいけない
AGA治療が目的ならば育毛サロン・発毛サロンを選ぶべきではありません。その理由を説明します。
発毛サロンは医学的根拠に基づいていない
育毛サロン・発毛サロンが提供する発毛メニューは医学的根拠に基づいていません。
先述した通り、AGAには5-α還元酵素や男性ホルモン受容体の感度が関係しています。AGA治療は5-α還元酵素を阻害するフィナステリドを服用するか、ミノキシジルで発毛を促進する以外に有効な治療方法はありません。
マッサージ・サプリメント・ミノキシジル以外の育毛剤・シャンプー…これらで髪の毛が生えるのであれば、世紀の大発明です。
発毛サロンは医療機関ではないため医療行為が禁止
AGAに対して医学的に有効な治療方法はフィナステリドとミノキシジルのみです。これらの薬は医療機関にて医師が処方することが可能です。
育毛サロン・発毛サロンは医療機関ではありません。したがって医師法上は医療行為を行うことができません。つまり、医学的に有効であるAGA治療を行うことができません。
一部のサロンでは医療機関っぽく見える要素を兼ね備えている場合がありますので以下の点に要注意です。
- 病院っぽい名前が店舗や事業名に使用されている
- 医師が事業を監修している(医師が治療したり処方したりするわけではない)
- 医師や病院と提携している(もちろんサロン自体が医療行為を行うことはできない)
発毛サロンの高額な価格体系
育毛サロン・発毛サロンの価格体系はソーシャルゲームに似ています。課金しようと思えば、かなり高い金額を課金できる仕組みです。
基本的には毎月の施術(シャンプー・マッサージなど)と、シャンプーや育毛剤がセットメニューで提供されています。メニューを組み合わせたり、特別なコースを選んだりすることによって年間100万円を超えることがあります。公式Webサイトで表向きに提示されている金額からは分からない場合がありますので、要注意です。
具体的な例を出すのは避けますが、興味がある方は後述する書籍をぜひ読んでください。
某発毛サロンのテレビCMにはトリックがある
「しかしながら発毛サロンで毛が生えたってテレビで見かけるけど…」と思う方がいらっしゃるかもしれません。果たしてテレビの内容は真実なのでしょか？
もし以下が明確に提示されているのであれば、信じて問題ありません。
- 発毛した人はAGA(男性型脱毛症)であるという診断を医師から受けていること
- 発毛した人はフィナステリドやミノキシジルを服用していないこと
もし上記が明確に提示されていないのであれば…あとはご想像にお任せします。
育毛サロン・発毛サロンは何をしてくれるのか？
育毛サロン・発毛サロンでは以下のようなサービスが提供されています。
- シャンプー・頭皮マッサージの施術
- 独自の機械を使った施術
- 自宅で使うシャンプー・育毛剤の販売
- サプリ・健康食品の販売
- 体に良さそうなアクセサリーの販売
- 生活習慣や健康状態の管理
後述する書籍によれば多くのサロンは「皮脂=悪=ハゲる=取り除かないといけない」という思想が強い傾向があります。したがって皮脂に焦点を当てたサービスが多いです。
育毛サロン・発毛サロンはAGAに効果があるのか？
AGAに対しては効果がありません。なぜなら医学的に有効なAGA治療をしているわけではないからです。
医学的に有効なAGA治療はフィナステリド・ミノキシジル、この2つだけです。病院でなければ処方してもらえません。
それでも発毛サロンを選ぶなら絶対に読んでおくべき書籍
「それでも私は育毛サロン・発毛サロンに行くんだ！」という方を引き止めようとは思いません。ただ、サロンへ行く前に以下の書籍を必ず読んでください。
東大出身のライターが実際に有名育毛サロン6店へ潜入取材した記録をまとめた書籍です。サロンの施術内容、接客や価格体系をレビューしています。著者はAGAやシャンプーの成分に関する知識を持っている状態で、潜入取材をしています。特定の企業やサービスを持ち上げるような記述は見当たりませんでしたので、参考になるはずです。
育毛サロン・発毛サロンはこんな人にオススメ
育毛サロン・発毛サロンはAGA治療には向いていませんが、一部の方にはオススメできます。
AGAではない人
以下のようにAGAではない方にはオススメです。
- AGAではないが将来ハゲるかもしれないと思うと夜も眠れないぐらいストレスを感じている方
- AGAではないが生活習慣の乱れで脱毛。誰かに管理指導されないと生活習慣を改善できない方
- 高額で構わないのでシャンプーやマッサージでリラックスしたい方
自分がAGAかどうかはAGA診断セルフチェックシート(AGAの見分け方)でチェックしてみることをオススメします。
病院でAGA治療をしたが改善できなかった人
病院で医学的に有効なAGA治療を長期間続けても、改善しない場合があります。特にAGAが進行し過ぎていると改善しない場合があります。詳しくはAGAの進行は止まらない！進行速度・進行度・進行パターンをご覧ください。
そのような場合「とにかく髪の毛に対して何か対策をしていないと気が気でない」という状況になる可能性があります。少しでも気持ちを楽にしたい、という状態です。そのような方にとって育毛サロン・発毛サロンは「精神的な安心」をもたらしてくれるかもしれません。
カツラをかぶる人
薄毛対策としてカツラを選択する場合は育毛サロン・発毛サロンがオススメです。サロンではカツラが販売されています。
- 病院でAGA治療中だが今すぐにでもカツラで薄毛を隠したい方
- AGA治療をしたが改善できなかったためカツラで薄毛を隠したい方
- AGA治療は嫌なのでカツラで薄毛を隠したい方
まとめ
AGA治療は育毛サロン・発毛サロンと病院のどちらに行くべきか紹介しました。
医学的に有効な治療は医療機関(病院・皮膚科・クリニック)でなければ受けることができません。
AGAによる薄毛を治療したい方はサロンではなく病院を選ぶよう注意してください。