いいえ、筋トレはAGA(男性型脱毛症)と関係がありません。筋トレはAGAの原因ではありません。
高負荷の筋トレをすると男性ホルモンであるテストステロンの分泌が増加します。しかし、それは大きな変化ではないと石井直方教授(東京大学大学院総合文化研究科・新領域創成科学研究科)は言っています。
そもそもテストステロンはAGAの原因ではありません。AGAの原因は毛乳頭で産生されるジヒドロテストステロン(DHT)です。ジヒドロテストステロンはテストステロンが5-α還元酵素(リダクターゼ)に代謝されることで産生されます。ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくことによって毛の成長が阻害されます。
では逆に、筋トレはAGA対策になるのでしょうか。いいえ、筋トレはAGA対策になりません。
AGA治療はフィナステリドとミノキシジルという薬を使うのが一般的です。フィナステリドは5-α還元酵素を阻害して、毛乳頭のジヒドロテストステロン産生を抑えます。ミノキシジルは血行を促進したり発毛の成長因子を増加させたりして発毛を促進します。筋トレをしても5-α還元酵素を阻害できませんし、発毛の成長因子を増加させることもできません。